【実録】40代から70代の副業探し:ジモティーの「簡単・高単価」在宅ワークに応募したら、犯罪に巻き込まれそうになった話

人生100年時代。40代、50代、さらには60代、70代になっても「もう少し収入の柱を増やしたい」「空いた時間で社会とつながりたい」と副業を考える方が増えています。

特に「在宅OK」「簡単なデータ入力」「スマホで完結」といった手軽さを謳う仕事は魅力的です。

しかし、その手軽さの裏に、巧妙な罠が隠されているケースがあります。今回は、実際にジモティーで「高単価な在宅ワーク」に応募した私の体験談に基づき、中高年世代が副業を探す際に本当に気をつけなければならない「危険なサイン」を徹底解説します。


目次

はじめに、ジモティーでのメッセージのやりとりの一部です

月収20万も可能? 魅力的な「在宅モニタリング」の募集内容

私がジモティーで見つけたのは、一見すると非常に条件の良い募集でした。

【募集内容の抜粋】 ・在宅でできる、シンプルなモニタリング・データ整理 ・スマホやパソコンで簡単な入力やチェック作業 ・マニュアル完備、未経験OK ・※「販売業務」や「出品代行」ではない ・【報酬】完全出来高制(例:1タスク3,000円〜13,000円) ・作業量に応じて月10万〜20万円以上の実績あり

「これだけの高単価は珍しい」 私は、怪しさを感じつつも、どのような仕事なのか興味が湧き、具体的な作業時間や報酬幅の条件について問い合わせのメッセージを送りました。

巧妙な誘導と「電話選考」の謎

応募後、私の体験は不自然な方向へと進み始めます。

違和感①:質問への回答を後回しにする「書類選考」

私が「1タスクの作業時間」や「報酬幅の条件」について質問したにもかかわらず、返ってきたのは以下のようなメッセージでした。

「多くのお問い合わせをいただいておりますため、まずは書類選考から進めさせていただいております。 お手数をおかけしますが、以下の内容についてご回答いただけますでしょうか。 ・ご年齢」

この時、「1タスク10分〜20分程度」「報酬幅は商品の販売値によって決まる」という回答も添えられていました。私はここで「”販売業務ではない”と書いてあったのに、なぜ販売値が関係するんだ?」という最初の違和感を覚えます。

違和感②:頑なに「電話」で説明しようとする姿勢

年齢などを伝えると、次に来た返信は決定的なものでした。

「詳細につきましては、まずはお電話での選考時に、担当者よりご説明させていただきます。 差し支えなければ、このまま選考へお進みいただいてもよろしいでしょうか?」

私はここで強く警戒します。 「通常、業務内容の詳細はメッセージで共有してくれるはず。それを拒み、電話で説明しようとするのは、文章として証拠が残ることを恐れているのではないか?」

電話で明かされた「本当の仕事内容」とその危険性

私は、本当はいいビジネスかもしれないしもしくは危険かもしれないとう事を承知の上で、実態を探るために電話を受けることにしました。 担当者から告げられた「本当の仕事」は、募集内容とは似ても似つかないものでした。

「ブランド商品をあなたの家に送るので、メルカリで販売して欲しい。売れた金額に応じて報酬を支払う」

これは募集要項にあった「販売業務や出品代行ではない」という記述と真っ向から矛盾します。

巧妙に仕組まれた「犯罪の肩代わり」

私は、この手口の恐ろしさを瞬時に察知しました。

  1. 自宅に商品が送られてくる → 相手に「住所」という重要な個人情報を渡すことになる。
  2. 自分のメルカリアカウントで販売する → 販売者としての責任は、すべて私が負うことになる。
  3. 送られてくる「ブランド商品」とは? → 私は、これらが**偽物(コピー商品)**である可能性が高いと推測しました。

もし偽物であった場合、それを販売する行為は商標法違反という明確な犯罪です。 万が一、摘発された場合、逮捕されるのは販売を実行した私本人です。元締めである相手は、身元を隠したまま、私を「使い捨ての実行犯」として利用し、リスクを一切負わない仕組みです。

相手の反応

私が「失礼ですが、偽物じゃないですよね?」と核心を突くと、担当者は「そんなはずないじゃないですか、馬鹿にしてるんですか?」と、やや逆上したような反応を見せたと言います。

私は、ここで「やりますか?」という問いをきっぱりと断りました。
(※後日、私が確認したところ、この募集主のアカウントは停止されていました)

40代〜70代が知っておくべき「危険な副業」を見抜くチェックリスト

私の体験は氷山の一角です。特に社会経験が豊富で、責任感を持って仕事に取り組もうとする中高年世代は、巧妙な詐欺のターゲットにされやすい側面があります。

以下のチェックリストに一つでも当てはまったら、その仕事は非常に危険です。

  1. 「簡単作業」なのに「高すぎる報酬」 世の中の相場と比べて、明らかに割が良い仕事はまず疑いましょう。「1タスク10分で3,000円」などは非現実的です。「美味しい話には必ず裏がある」というAさんの言葉を忘れてはいけません。
  2. 仕事内容を「文章」で説明せず「電話」に誘導する やましいことがある募集主は、証拠が残るテキストでのやり取りを極端に嫌います。「詳細は電話で」「まずはLINE登録を」と、クローズドな場に誘導されたら警戒レベルを上げてください。
  3. 募集内容と「報酬の仕組み」が矛盾している 「データ入力」なのに「販売値で報酬が変わる」、「モニタリング」なのに「あなたの口座で入金確認を」など、少しでも矛盾を感じたら、その理由を納得できるまで確認しましょう。
  4. あなたの「個人アカウント」や「個人口座」を使わせようとする メルカリ、ヤフオク、銀行口座など、あなたの個人名義のアカウントや口座を使った取引(出品、入金、送金)を指示された場合、それは「犯罪の受け皿」として利用されている可能性が極めて高いです。
  5. 契約前に「住所」や「身分証」を安易に要求する 業務委託契約のために身元確認は必要ですが、仕事内容も曖昧なまま「選考のため」として住所や身分証のコピー、顔写真などを求めてくる場合は、個人情報の収集や、Aさんのケースのように「商品を送りつける」準備の可能性があります。

まとめ:自分の身は自分で守る。「違和感」を信じて、慎重な副業選びを

副業で収入を増やし、生活を豊かにすることは素晴らしいことです。しかし、その意欲を利用しようとする悪質な業者も存在します。

私のように「電話番号ならまだしも、契約して住所が渡っていたら危なかった」という状況は、誰にでも起こり得ます。

40代から70代の皆さまが、これまでの豊富な社会経験を活かし、安全に働くためには、少しでも感じた「違和感」を無視しないことが何よりも重要です。

「簡単」「高単価」という言葉に踊らされず、相手が信頼できるか、業務内容が明確か、そして法に触れるものではないかを、ご自身の目で冷静に判断してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中学時代より独学でWebサイト制作を始め、ペットマッチングサイトやフィギュア輸入ECを立ち上げ・運営後、事業売却を経て、企業での経験を積むことを決意。以降15年以上にわたり、Webデザイン、マークアップ、ディレクション、広告運用、営業など多岐にわたるデジタル領域の業務に従事。

現在は、動画・SNS・メディアなど運営して本職をやりつつ副業で生計を立てています。

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次